猫は物や飼い主に体や顔をこすりつけるということがあります。
猫が体や顔をあちこちにこすりつけると毛が落ちて困るという飼い主もいます。
しかし、猫が体や顔をこすりつけることには、ちゃんとした理由があるので、飼い主はそのことを把握しておく必要があります。
猫が顔をこすりつける理由
猫が顔をこすりつける理由
- 所有権の主張
- 親しみを表す
- 甘えている
- 挨拶
- マーキング
- 気持ちいい
猫が顔をこすりつける理由1:所有権を主張している
猫はいろいろな場所に顔をこすりつけることがあります。これは猫の顔には臭腺があり、顔をこすりつけることで、顔をこすりつけた物に対して、フェロモンや自分の臭いなどをつけて、これは自分の物であると主張をしています。
そのため、他の猫などに自分の場所や物を取られないようにするために、自分の生活範囲の中にあるいろいろな物に対して、自分の臭いが薄れないように定期的に顔をこすりつける行動をします。
猫が顔をこすりつける理由2:親しみを表すため
家猫であっても、野良猫であっても、猫同士で体や顔をこするつけるようなことをしていることがあります。猫同士が体や顔をこすりつけている状態はお互いにいつ攻撃されても、すぐに対処できない体勢にあります。
そのため、体や顔とこするつけることができる相手というのは、それだけ信頼できる相手で親しい仲ということになります。その親しみの表現として体や顔をこすりつけ合います。
猫が顔をこすりつける理由3:優位者へのあいさつ
上記で述べたように、体や顔をこすりつける行為は親しい猫同士の挨拶のようなものです。しかし、猫社会でこの挨拶の方法は、基本的に優位者の方から行うことが少ないです。
そのため、メスからオスや、子猫から親猫などのように立場が下の方から体や顔をこすりつけに行くことが多いです。
もし、家猫が飼い主に対して、体や顔をこすりつける場合には、飼い主のことを自分より立場が上の存在と認めてくれています。
猫が顔をこすりつける理由4:甘えている
上記で述べた通り、体や顔を飼い主にこすりつける行為は、飼い主のことを自分よりも立場が上と認めて挨拶をしてくれています。
しかし、単純にかまって欲しくて飼い主によって来ている場合もあります。猫は遊んで欲しかったり、ご飯が欲しかったりなどすると、顔をこすりつけて甘えくることがあります。
このような何かを要求する際には、顔をこすりつけるだけでなく、目線や鳴き声などでも要求を訴えかけてきます。
猫が顔をこすりつける理由5:挨拶
先に述べた通り、猫にとって体や顔をこすりつける行為は優位者への挨拶です。しかし、優位者でなく、気軽に挨拶する仲の猫に対しては体や顔をしっかりこすりつけるのではなく、鼻先で臭いを嗅いで、軽く鼻をこすりつけます。
鼻を使う挨拶は軽い挨拶なので、人で言うと「おはよう」や「こんにちわ」に近いです。軽い挨拶は家猫と飼い主でなくても、野良猫同士の間でもたまに見ることができます。
猫が顔をこすりつける理由6:マーキング
猫の顔には臭腺があるので、物に顔をこすりつけることは、その物に対して所有権をアピールしていることになります。
自分の物があるということを臭いを付けてマーキングしておくことで、他の猫などから、その場所は自分の縄張りであるということを示しています。
また、マーキングは物だけでなく、人に行うこともあります。これは飼い主に対して猫からの愛情表現でもあります。
猫が顔をこすりつける理由7:気持ちいい
撫でられることが好きな猫は多いです。猫を撫でると非常に気持ち良さそうな表情をすることがあります。
しかし、猫が撫でてもらいたいと思ったときに、いつでも飼い主に撫でてもらえるわけではありません。
猫は撫でてもらいたいときに、撫でてもらえない状況のときには、代わりに頭などを物にこすりつけて、自分でマッサージを行います。
猫の愛情表現5選
猫の愛情表現1:耳を斜め後ろに倒して近づいてくる
猫は撫でてもらいたいと思ったときは、飼い主が撫でやすいように耳を倒して近づいて来くることがあります。これは猫が自分に触っても良いと信頼を示していくれている猫からの愛情表現でもあります。
また、頭ではなく、背中を撫でてもらいたいときには、近づいて来て背中を向けて座ったり、ゴロッと横になったりなどすることもあります。
猫の愛情表現2:顔をスリスリする
先に述べた通り、猫の顔には臭腺があるので、顔をこすりつけることで、物にフェロモンや臭いをこすりつけて自分の物であるとマーキングを行います。
マーキングは物だけでなく人に対して行うこともあり、猫は自分の臭いを飼い主に付けて、自分の物であると主張しようとすることもあります。これも猫が飼い主に気を許しているという愛情表現の1つになります。
猫の愛情表現3:しっぽをピンと立てて近づく
犬がしっぽを立てるときは怒っているときなので、猫がしっぽを立てていると、怒っていると勘違いしてしまう人もいます。しかし、猫がしっぽを立てているときは嬉しいときです。
そのため、しっぽを立てて猫が近づいてくる場合は、猫が飼い主を見て喜んで近寄って来ているということになります。
ただし、しっぽが立っていても、しっぽや全身の毛が逆立って膨らんでいる場合には、機嫌が悪くて威嚇されている可能性もあります。威嚇の場合はシャーっと鳴いたり、牙を見せて怖い顔したりなどもするので、すぐにわかります。
猫の愛情表現4:プレゼントをもってくる
本来、猫は狩りをする生き物です。そのため、野良猫であればスズメや昆虫、カエルなどを捕まえたりすることがあります。
また、家猫の場合でも、家の中にいた虫やヤモリ、ネズミなどを、どこからか見つけてきて捕まえることがあります。捕まえた獲物を飼い主に元へプレゼントとして持ってきてくれることもあります。
これは狩りに出かけない飼い主を見て、代わりに狩りを行って来たつもりになっているという説や、獲物を捕まえたことを飼い主に褒めてもらおうとしているという説などがあります。
猫の愛情表現5:飼い主の仕事を邪魔する
飼い主が家で仕事をしたり、テレビを観たり、家事をしたりなどしていると、猫が邪魔をしてくることがあります。これは猫が人に嫌がらせをしようとしているわけではありません。
飼い主が真剣な顔で作業をしたり、テレビを観たりなどしていると、猫は飼い主が何かに熱中していると思って、何をしているのかと興味を持って、見に来たり、使っている物を触ろうとしたりなどしてしまいます。
また、飼い主が遊んでくれているときの柔らかい表情をしていないことで、猫が不安を感じてしまい、飼い主を心配して近づいてくることもあります。
猫が顔をこすりつける理由を知ろう
猫が物に顔をこすりつけたり、飼い主に体をこすりつけたりすることなどがあります。猫が体をこすろつけることで、あちこちに毛や臭いがついたり、飼い主の作業の邪魔をしてしまったりなどすることもあります。
しかし、猫が顔や体をこすりつけるのは愛情表現や本能などが理由となっています。そのため、飼い主は猫がどのような理由で体をこすりつけているか把握して、適切な接し方してあげないといけません。