感動

心配でたまらない…ディズニーの元裏方が語る『不安』に反響が…

心配でたまらない…ディズニーの元裏方が語る『不安』に反響が…

千葉県浦安市にあるテーマパーク『東京ディズニーシー(以下、ディズニーシー)』で20年間、ステージの裏方の仕事をしていた金井博文(@niraikun37)さん。

Twitterに自身の想いを投稿し、反響が上がりました。

ディズニーシーの野外ステージを担当していた金井さん。

1つのショーを作り上げるプロに称賛の声

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の影響で東京ディズニーリゾートでは、多くのショーやパレードが中止に。そのため、すでに退社はしているものの、ステージの整備状態が心配というのです。

金井さんは在職中、毎朝、木の床のステージ状態をチェックし、演者がケガをしないようにスタッフ全員で紙やすりを使ってこすり続けていたといいます。

夏は汗を垂らしながら、ステージを整備しトゲがないか確認していました。

また、雨の日は、やんだら水を掃き、雑巾で拭き続け、開演時間に間に合うよう必死に床を乾かし続けます。

ディズニー出典元:Twitter

観客が「この天候じゃ無理だ」と思っていても、最後までさまざまな方法で開演できるように努めていました。金井さんは、「多くの人が諦めていた中で、開演できた時はとても嬉しかった」といいます。

それだけステージ1つに想いを込めてきた金井さんは、「人が演じなければステージは傷んでしまう」と、ステージショーが行われていない状況を危惧しているのだとか。

きっと、この言葉はステージ本体だけではなくエンターテインメント全体にもいえることでしょう。

コロナウイルスの影響は、東京ディズニーリゾートだけでなく、エンターテインメント業界に、大きなダメージを与えました。その被害額は6900億円ともいわれています。

投稿は反響が上がり、多くのコメントが寄せられていました。

・かっこいい。やはり一流のプロが集まっている現場だと思った。

・床を拭いている姿を見ていました。「私たちも手伝いたい」という声が観客から聞こえたのを覚えてる。

・最後まで読んでいて涙がこぼれた。表には見えないけれど裏の主役だと思う。

金井さんは、最後に「長い付き合いのステージのことです。『いつでも出演者を迎え入れてやるぜ』って気合いでいると信じてます」とつづっていました。

ステージが朽ち果ててしまう前に、再びエンターテインメントで裏方・観客の多くの人が笑顔になれる日が早く訪れることを祈ります。

金井さんの思いの全文

もうディズニーをやめて随分経つんですけどステージが気になるんです。

もうどうでもいいんですけどね、僕はやめてるから。でもやっぱり気になるんです。20年いた場所ですから。

僕の担当してたステージは野外ステージで雨ざらしなので余計に気になるんです。毎日毎日、朝、仕込み時にステージチェックをするんです。

朝に。木の床なのでけばだってると演者がケガするので、みんな紙やすり持ってこすりつづけるんです。 夏とかは大変です。汗がしたたり落ちながらみんな床をこすり続けてます。

こすっては手をすりつけてトゲがないか確認しながらさらにこすりつけます。雨の日は常に雨レーダーを見ながら雨がやみしだいすぐにステージ上の水をまず全部どけて、ファンをあてながら雑巾で拭き続けます。

湿度が高かったり、気温が低ければ乾くのに時間がかかるので開演時間を常に確認しあいながら必死に床を乾かします。

あきらかに間に合わないだろうと思っていても床を拭き続けます。突然風向きが変わって急激に乾くかもしれないからです。開演できるあらゆる可能性を信じて僕らは動いてました。

正直、しんどかったです。でももう無理だとゲストも思ってるぐらいなのにショーができた時のゲストのリアクションはとても嬉しいものでした。

それはあきらかに裏方に対する賞賛をも感じました。 だから今、思いだします。あのショーをする為に必死に拭いていた床、ショーがキャンセルにならないように願うゲストの視線。 家は人が住まないとすぐ朽ち果てると聞いた事があります。

ステージも一緒だと思ってます。人が立たなければ、人が演じなければ舞台の板はすぐにいたんでいきます。

ディズニーは再開しても、ショーの再開は未定のままです。 だから今も気になります。 ステージはけばだってないかなと。 けど長い付き合いのステージの事です。いつでも出演者を迎え入れてやるぜって気合いでいると信じてます。